■以下に現在敢行されていれるダーコーヴァシリーズのタイトルを時代別・年代順に掲載しました。
本のタイトルがリンク色になっているものは、作品名をクリックするとその作品のストーリー案内を御覧いただけます(^^)
*各時代の日本語名は米村秀雄氏の解説に基づくものです。

●THE FOUNDING<植民時代>
いまだ地球帝国と呼ばれる連邦国家ができるはるか以前、地球の宇宙移民を乗せた宇宙船が血の色の太陽を持つ惑星に不時着する・・・やがて、ダーコーヴァの名で知られることになる星に。

●THE AGES OF CHAOS<混沌の時代>
宇宙船の不時着から約1千年ののち。すでに地球のテクノロジーは失われて久しく、それどころか自らが地球人であることさえ忘れ去ったダーコーヴァの人々。だが彼らは新たなテクノロジーを、文明形態を手に入れていた。マトリクス水晶を利用した超能力文明である。次々と新しいマトリクスを利用した技術が考案され、この時代ダーコーヴァの超能力文明は絶頂をきわめるが・・・。


●THE HUNDRED KINGDOMS<百王国時代>
ダーコーヴァの大貴族、小領主達の戦争・小競り合いはダーコーヴァに百王国時代と呼ばれる小国乱立の時代を作り出す。そして、ダーコーヴ人の超能力はもっぱら戦争のために利用されるようになり、それはさまざまな悲劇を生み出す元となっていた。が・・・ここにひとりの歴史的人物が現れる。有徳者ヴァージル。この混迷の時代を終わらすために、人々を超能力戦争の悲劇から救うために、歴史が動き始める。

    『Two to Conquer』(「キルガードの狼」)
    『The Heirs of Hammerfell』(「ハンマーフェルの後継ぎ」・未邦訳)


●AGAINST THE TERRANS
---THE FIRST AGE (RECONTACT)<コミンの統治時代>

百王国時代ののち、有徳者ヴァージルによって定められた【盟約】により、超能力戦争は過去のものとなり、ダーコーヴァは七大氏族のハスター家を中心とした貴族達(コミン)で構成された「コミン評議会」による協議制の政治形態を採用、その統治は何世紀もの間揺るぐことはなかったが、ここにひとつの事件が起こる。地球帝国の来訪・・・地球人によるダーコーヴァの再発見である。


●AGAINST THE TERRANS
---THE SECOND AGE (AFTER THE COMYN)<コミンの崩壊期>
地球帝国の来訪を受けた惑星は、その産業と技術力の前にひざを屈し、50年としないうちに独自の文化を崩壊させ自ら帝国の一員にしてくれることを望むようになる・・・その絶対的とも言えるセオリーにダーコーヴァは200年以上の間、抗しつづけた。地球帝国にはないマトリクス力学、すなわち超能力による文明を持つがゆえに。だが、ついにダーコーヴァの人々も自らが変わらなければならない時が来たことを知る。それは、地球帝国という外部要因によるものではなく、むしろダーコーヴァの貴族達の腐敗、結束の瓦解、近親婚によるテレパスの減少など内部要因に帰するものであった。

■このシリーズは、ダーコーヴァと呼ばれる惑星の2千年以上に及ぶ歴史の中で起こったさまざまな事件の断片がランダムな順番で読者に語られる・・・という形式をとっています。
主人公も、扱われる時代さえも基本的に作品ごとに異なりますが、中にはレジス・ハスターやロリル・ハスター、アンドリュー・カーのように複数の作品にまたがって顔を出すキャラクターもあらわれます。そういった物語にちりばめられたヒントを拾い出し、それぞれの事件をつなぎあわせることで読み手の心の中に生まれる、ひとつの惑星の長大な歴史物語・・・それが「ダーコーヴァ年代記」なのです。

【番外1】
ダーコーヴァがある宇宙の別の惑星での物語・・・というよりは、その設定といい地名などのネーミングといい、ダーコーヴァシリーズの習作と言ったほうが正しい作品たち・・・日本語版の巻末対談が面白かったです(^^)←これだけでも読む価値あり!(笑)

    「ナラベドラの鷹」
    「時空の扉をあけて」

【番外2】
『ぼくはハスターとカシルダについて話しあっていたが、そんな間も、ハリ湖の岸辺の頭上高くで・・・』(森美樹和氏訳・固有名詞に限り一部改変)
ダーコーヴァをある程度読み進んだ人なら見慣れた言葉が並ぶこの文章。でもこれ、ダーコーヴァからの引用じゃないんです。実は・・・・・・。ハスター召喚の呪文でレジスが呼び出せたらいいのに(笑)

    「黄の印」ロバート・W・チェンバース(国書刊行会『ク・リトル・リトル神話集』収録)
    「カルコサの住民」アンブローズ・ビアス(青心社刊『クトゥルーIV幻妖の創造』収録)
    「ハスターの帰還」(オーガスト・ダーレス『クトゥルーI』)なんかそのまんまダーコーヴァのタイトルっぽくて笑える・・・(笑)

【外伝 THE DARKOVER ABTHOLOGIES(アンソロジー)】
いやぁ、アメリカにもあるんですねぇ。日本の人気アニメやマンガみたいに、ファンによるアンソロジーっていうのが(というか、こっちのほうが先)。しかし、日本のそれと違ってなんといってもおいしいのは、作者のブラッドリー自身が各巻に数編ずつ小編を書いていてくれること。しかも各作品間のミッシングリングを埋めるようなおいしい話ばかりなのだ!これは見逃せないぜ!(^.^)
とりあえず以下にアンソロジータイトルとそれに収録されているブラッドリー作品のタイトルを掲載しました。

    《The Keeper's Price》
    The Keeper's Price by Marion Zimmer Bradley and Elisabeth Waters
    The Hawk-Master's Son by Marion Zimmer Bradley
    Blood Will Tell by Marion Zimmer Bradley

    《Sword of Chaos》
    A Sword of Chaos by Marion Zimmer Bradley
    The Lesson of the Inn by Marion Zimmer Bradley

    《Free Amazons of Darkover》
    The Legend of Lady Bruna by Marion Zimmer Bradley
    Knives by Marion Zimmer Bradley

    《The Other Side of the Mirror》
    The Other Side of the Mirror by Patricia Floss (※注)
    Bride Price by Marion Zimmer Bradley
    Everything but Freedom by Marion Zimmer Bradley
    Oathbreaker by Marion Zimmer Bradley

    《Red Sun of Darkover》
    The Ballad of Hastur and Cassilda by Marion Zimmer Bradley
    The Shadow by Marion Zimmer Bradley

    《Four Moons of Darkover》
    Man of Impulse by Marion Zimmer Bradley
    House Rules by Marion Zimmer Bradley

    《Domains of Darkover》
    Firetrap by Elisabeth Waters and Marion Zimmer Bradley

    《Renunciates of Darkover》
    Amazon Fragment by Marion Zimmer Bradley

    《Leroni of Darkover》
    (ブラッドリー作品掲載なし)

    《Towers of Darkover》
    Ten Minutes or So by Marion Zimmer Bradley

    《Marion Zimmer Bradley's Darkover》
    (これはブラッドリー作品のみの小品集・他アンソロジーからの再録多数)
    To Keep the Oath
    Amazon Fragment (from Renunciates of Darkover)
    House Rules (from Four Moons of Darkover)
    Knives (from Free Amazons of Darkover)
    Firetrap written with Elisabeth Waters (from Domains of Darkover)
    The Keeper's Price written with Elisabeth Waters (from The Keeper's Price)
    The Lesson of the Inn (from Sword of Chaos)
    Hilary's Homecoming
    Hilary's Wedding
    Everything but Freedom (from The Other Side of the Mirror)
    Oathbreaker (from The Other Side of the Mirror)
    The Hawk-Master's Son (from The Keeper's Price)
    A Man of Impulse (from Four Moons of Darkover)
    The Shadow (from Red Sun of Darkover)

    《Snows of Darkover》
    The Word of a Hastur by Marion Zimmer Bradley

    (※注)The Other Side of the Mirror はラッドリー作品ではありませんが、ブラッドリーにより「ダーコーヴァ正史」の認可を受けている作品なのでここに掲載しました。名作です(^^)。