(夢を追ってきたあげく、こんなところで死ぬはめになってしまった)
宇宙を渡り歩く孤独な公務員の心がが求めたものは、夢だったのか、癒しだったのか、それとも故郷だったのか・・・。
地球帝国の技師アンドリュー・カーは、新たなる任地に向かう途中、中継点として降り立ったコットマン第4惑星と呼ばれるその星で、たった48時間しかないその乗り継ぎの待ち合わせ時間に出かけたオールドタウンで、彼の運命をかえる出来事に遭遇する。
街の占い師がその水晶球に映し出した少女はトリックか?彼の願望が見せた幻か?
長きにわたって帝国が彼に与えた任務に忠実だった男は、静かに夢を追い始める。
あの水晶球が見せた少女の幻影を・・・。
雪ふきすさぶ冬のヘラーズ。墜落した測量用飛行機。・・死を覚悟した男の前に再びあの少女が現われる!
「あなたを知っているような気がしたの。この目であなたを見たことは一度もないのに」
やぶれた青いガウンを着た実体のない少女。彼女をとりまく暗やみと孤独。
一方、オルトン領アーミダではそのころ、ひとつの重大な事件が持ち上がっていた。
<監視者>カリスタ誘拐さる!
彼女の双子の妹も、強力なレロニス(女魔法使い)の力を持ってしても、彼女の行方はようとして知れない。そんな時、一人の異邦人がオルトン家の扉をたたく。
「いいえ。いいえ。わたしはカリスタじゃないの、エレミアよ。でもなぜあなたが---いったいなぜあなたがカリスタのことを知っているの?」
アンドリューは自分が見も知らぬ「剣と魔法の世界」に迷い込んでしまった事を知った。
だがカリスタ救出の鍵を握るのは彼一人。そして手がかりもたった一つ、彼女のベッドに残されたスターストーンと呼ばれる青い宝石。その宝石の波動は直接カリスタの心へとつながっているのだ!
彼女は「本当は」どこにいるのか?
彼が夢を追ってたどり着く場所はどこなのか?
「どんな感じだかよくわからないわ-----人を愛するって事は。でもわたし、あなたにわたしのことを考えつづけていてほしいの。なぜか寂しさが薄らぐのよ」 |