ラリー・モントレーは、新しく住むことになったその星で不本意な生活を強いられていた。
その惑星の名は「DARKOVER(ダーコーヴァ)」………【闇のとばり】
繰り返される日常、地球での生活となんら変わらぬ毎日・・・
(ほんとうに期待していたのに・・・・・。)
夢見たものは、かつて触れたことのない未知の文明、異星人、刺激に満ちた生活だった。
だが、交易都市で赤毛の少年ケナードと出会ったときから、退屈だった彼の生活は急速にその彩りを変えていく!
ダーコーヴァの少年たちとの殴り合い! 見るもの触れるものすべてが目新しいダーコーヴァ人の家。初めての乗馬、初めての狩り。そして・・・

「なぜ、あの人はあんなにぼくのことを知ってたんだろう?」
「ハスター卿のことかい? テレパスだからさ、もちろん。」

そこはカメラや火傷薬より、テレパスの存在の方が当たり前とされる世界!!
そして、ラリーは知るのだ。地球人が「野蛮人」とそしるダーコーヴァの人々がまた、地球人のことを指して「野蛮人」とさげすんでいることを。
彼は考える。地球はダーコーヴァに、ダーコーヴァは地球に学ぶべき所があるのではないかと。ふたつの星が手をたづさえる道が必ずどこかにあるはずだと。

そんな思いもつかの間、なんとラリーはケナードと間違われて山賊にさらわれる羽目に・・・っ!!
ケナードはラリーを救うため単身、山賊のアジトに乗り込むが・・・!?

地球人の陰謀もダーコーヴァ人の思惑も少年達の友情は引き裂けない!
ダーコーヴァの少年ケナード・オルトンと地球帝国の少年ラリー・モントレーの心躍る冒険譚!

-------------『リンゴをもひとつどうだい?』-------------