
<ダーコーヴァを初めて旅する人のための7つのキーワード>
【コットマン第四惑星】
惑星ダーコーヴァの正式名称。住民は閉鎖的だわ、特産品はないわ、鉱物資源にも乏しいわで、本来なら地球帝国もこんな辺鄙な星は気にもかけないところだが、銀河交通路の要衝に位置しているため、帝国も無視するわけにいかず、しぶしぶこの星の支配階級に頭をさげて宇宙港をおかせていただいている。地球帝国にとってもダーコーヴァの人々にとっても不幸な話である。
だがその地球帝国も、最近は『マトリクス力学』・・・地球人が「超能力」と呼ぶ物の理論体系をこの星の住民が持っているらしいことに気付き、その秘密を手に入れようと裏工作に余念が無い。
「3日つづけて早朝に雪が降らなかったら真夏」というくらい寒い。
【コミン】
ダーコーヴァの貴族階級のこと。別名テレパス・カーストとも呼ばれ、かなりの頻度で「超能力者」が存在する。またこの超能力の遺伝子は「赤毛」と密接に結びついており、ダーコーヴァで赤毛を見たらテレパスと思って間違いない。
エルハリン家が王家だが、実権はハスター家が握っている。
【盟約】
「相手の手の届く範囲より遠くから相手を殺せる武器」を禁じたダーコーヴァの唯一絶対と言っていい法律。だから、銃からミサイルまで飛び道具の使用はいっさい禁止!
表向きの理由は「卑怯だから」。
地球帝国は、最初これを「地球の文化侵略を防ぐための排他的法律」と取っていたらしいが、実はダーコーヴァが自らの持つ強力な超能力兵器の使用を禁じるためにさだめたもの。
【7大氏族】
ダーコーヴァの貴族階級でも特に格式の高い7家系の事。ハスター家、オルトン家、エルハリン家、アイヤール家などから成る。それそれの家系特有の「力(特殊な超能力)」を持っている。ハスター家は美形ぞろいで、オルトン家は意味もなくえらそうで、アーデス家は変態ぞろい・・・じゃなかった(笑)、「生けるマトリクスとしての力」とか「他人に強制的に交感を強いる力」とか「潜在的超能力を引きだす力」とかである(^^;)。
実は元をただせば、みんなハスター家の分家らしい。
【マトリクス】
スターストーンとも呼ばれる青い宝石。人の脳波パターンに同調しその思念を物質的エネルギーに変換してしまう、いわば超能力増幅器。
ダーコーヴァのテレパスはほぼ全員がこの石の小さなものを身に付けているが、大きな石は【塔】という場所で複数のテレパスの協力によって運用される。
その技術体系と理論体系が『マトリクス力学』と呼ばれるもの。
大きなものは惑星の半分を一瞬で吹っ飛ばすぐらいの力を秘めているが、あまりにも危険なのでそのほとんどは『混沌の時代』に破壊されたと言われている。
【塔】
ダーコーヴァ各地に点在する超能力での共同作業をするための場所。その塔と塔をテレパシー通信で結んで出来上がる『テレパス中継網』によってダーコーヴァ文明は支えられている。
【監視者】
『キーパー』と読む。【塔】などで複数のテレパスが共同作業する際には『環<サークル>』と呼ばれる心の輪が作られるが、その『環』の調和を保ちバランスが崩れないように見張るのが『監視者<キーパー>』である。
通常は女性がその任に就くが、絶対的な純潔の掟に縛られている。
「監視者の処女性」についてはあらゆる伝説と真実が入り交じって、多くの迷信が生まれた。強姦されたことを隠して【監視者】としての作業を行い体の内から燃え尽きて死んだレイディ・ミレッタの伝説、【監視者】が処女でなくても平気な事を証明しようとして暗殺されたクレインドリの物語など、その迷信によって生まれた悲劇は枚挙にいとまがない。ダーコーヴァ年代記中でも山のように語られる。 |